クローン人間の僕と人間の彼女

「あぁ、頼むよ」


そう言うと、朋は元気良く出て行った。

少しすると功太が入って来た。


「よっ!朋ちゃんは?」

「署名活動」

「こんな時くらい、一緒に居ればいいのにな?」

「いいんだよ、いつも通りで。いつもと違う行動すると、手術失敗しそうだしさ」

「何だ?それ」


俺は真面目な顔をして言った。


「明日は…頼むな?」

「あぁ。任せろ」


功太が帰り、消灯時間が来ると、俺はゆっくりと目を閉じて眠りについた。


ー翌日


手術前、朋が来た。
俺達はいつもより何故か無口で…。
ポツリポツリと会話をする。


「ちゃんと帰って来てね」


でも、俺は何故かいつもとは違っていた」


「朋…。もし俺が死んだら、その数珠が切れる迄は、俺の事を忘れないで?切れたら…忘れて…」


上を向いたまま、朋の事を見ないで言ったから、朋がどんな顔をしていたのかなんて、俺は知らない……。

少しの不安はあったけど、死ぬなんて、これっぽっちも思ってなかったのに…。



俺はそのまま手術室に連れて行かれ、いつもの様に手術は行われた。