クローン人間の僕と人間の彼女

「勿論だよ。アタシはねぇ…身内が居ないいんだ。アンタにおにぎりを持って来るのが、今のアタシの生き甲斐なんだよ。頑張るんだよ?」


お婆ちゃんは笑顔で言った。


「ありがとう…」

「一ケ月休むなら頑張って署名を集めるんだよ。アタシは又、来るからね」


そう言ってお婆ちゃんは、ゆっくりと歩いて居なくなる。

お袋が生きていたら、きっと同じ事をしてくれただろうと思うと、お婆ちゃんを他人とは思えなかった。


早く退院して、ここに来ないと。だろ?


俺は署名活動以来、初めての入院をした。

後二回…。


後二回手術が終われば、俺はもっと生きられる。


朋と買いに行った、数珠のお守りにそっと願った…。

俺には一つ、やりたい事がある。


「よっ!あれ?朋ちゃんはまだ来てないの?」


功太がキョロキョロしながら病室に入って来た。


「あぁ、今日は遅くなるって。それよりさ、最後の手術が終わったら…」


俺は功太に言ってみた。
俺がやりたい事を。


「それいいじゃん!俺もその時一緒に居てもいいのか?」

「当たり前だろ!お前が牧師さんだよ」