クローン人間の僕と人間の彼女

「分かった…もし気が変わったら、会社に来てくれ。来なかったら諦める」


坂本はビックリした顔をしていたけど、俺は無視して近藤に言った。


「帰ろう」

「…いいのか?」

「無理矢理連れて行っても同じだよ。俺、次の奴が見付かる迄入院を伸ばすからさ」

「でも…」


俺は坂本に言った。


「意地張ったりプライドを高く持つのもいいけどな、そんな下らない事に使ってんなよ…。じゃあな…」


明日坂本は来ないかもしれない。
そしてら入院は遅れて、朋が怒るんだろうな…。

仕方ないか…。


ー翌日の朝

坂本は来なかった…。
俺のやり方は間違っていたのか。

落ち込む俺に速水が言った。


「アイツ…来ますよ」

「…?」

「昨日俺の所に来たんだ。森本の病気の事を聞いて来た。アイツの事だから、又プライドが邪魔して会社に来れないんだよ。迎えに行ってやれば?」


俺は速水のその言葉を聞くと、急いで会社を飛び出した。

すると、膨れっ面の坂本が立っていた。
坂本は俺に気付くと、気まずそうに下を向いた。


「何やってんだ?早く来いよ、遅刻だぞ」

「うっせーな…」