クローン人間の僕と人間の彼女

ー三週間後


「坂本…帰って来ないな」


ポツリと近藤が言った。


「そろそろ、迎えに行きますか」

「あぁ」


俺と近藤は速水から坂本の居場所を聞き、坂本の所へと向かった。

坂本は、あの性格とクローンへの扱いで衝突が絶えず、名前で雇われても衝突しては辞め…それを繰り返していると、速水から聞いていた。

坂本が住むアパートの前で待っていると、イライラした顔をした坂本が帰って来た。


「人んちの前で何やってんだよ?」

「どうだい?いい会社は見付かったか?」

「…あぁ。お前の会社と違って、チヤホヤしてくれるよ」

「……」


俺は黙って、坂本のシャツを捲った。

やっぱりな…。


「ちょっとぶつけただけだろ?!」

「坂本…。隠すなよ?殴られたんだろ?」

「だから違うって言ってんだろ?!」

「……。戻って来ないか?」

「同情なんかしてんじゃねぇよ!!」


俺は大きく息をして言った。


「俺さぁ、もうすぐ入院なんだよ。戻って来てくれないか…?」


俺は深く頭を下げ、一緒に近藤も頭を下げた。


「お前が辞めろって言ったんだろ…?調子がいいんだよ!」