クローン人間の僕と人間の彼女

ノートを隠した俺は、この動揺がバレないように、普通を演じた。

そんな時、近藤から電話があった。


「もしもし」

「あ、健治か?一回、会社に顔を出せよ。みんなに紹介したいし…。ちょっと困った事があってな」

「じゃあ、明日行くよ」

「あぁ、頼んだぞ!」


何があったんだ?
そう言えば、速水が”癖のある奴が居る”って言ってたけど…。

ついでに病院に行って、黒いページの事を聞いてみるか。

聞かないと分からない。いくら近藤に病気が完治するまで、無理に出なくてもいいと言われても、このままじゃいけないよな。


きっと大丈夫だ…。


ー翌日


俺は会社に行く前に、病院に行く事にした。


「森本さん、どうぞ」


健二のノートを握り締めて、俺は診察室に入った。


「今日はどうしました?」

「一つ…気になる事があるんです…」


俺はノートの黒いページを開いて医者に見せた。


「…?」

「これは…何かの病気だったんですか?」


医者はノートをパラパラと捲り、笑って言った。


「何かの書き間違いじゃないかな?」

「でもっ…」

「大丈夫ですよ。治療は順調に進んでますから」