クローン人間の僕と人間の彼女

「後は設備を入れて…。速水達に連絡しろよ?後…会社の名前は、俺と功太で勝手に決めたから」

「何て名前?」

「…森本工場だよ」


そう言って近藤は得意気に笑った。


「何で?俺なんか、殆ど手伝ってないんだぜ?一番動いたのは近藤さんだろ?!」


俺は湧き上がる感情を近藤にぶつけた。

それだけじゃない。
俺にはまだ命の保証が無いんだ…。

少しの沈黙の後、近藤は言った。


「いいんだよ。お前が居たからこの会社は出来たんだ。速水達がスポンサーを使って融資させたのも、伊集院からのこの土地も…お前が居なかったら、実現しなかったんだよ」

「でも、俺はまだ完治してないんだ…!」

「……心配するな。経営は俺がやるんだ」

「……」

「それにだ!もしお前に何かあっても…。お前の代わりにこの会社が生き続けるんだよ。だから安心して治療に専念しろ。速水達には連絡しとけよ」


近藤はそう言って涙を拭った。


「ありがとう…。俺、頑張るよ」

「当たり前だろ!さぁ、帰るぞ。後、この会社のマークを考えろよ?」

「…マーク?」

「系列の会社にはそういうの必要だろ?一週間以内だからな」

「あぁ」