クローン人間の僕と人間の彼女

結局、朋と功太の話しの内容を知る事の無いまま毎日は過ぎ、朋への不信感は日に日に膨らんだ。

朋が楽しそうにしていても、
機嫌が悪そうにしていても、
何か不自然さを感じながら…。

そんなある日、俺は会社創立の打ち合わせで、帰るのが遅くなった。


「ただいま」


朋の返事は無く、気配はあるものの、家の中は静まり返っている…。


「…朋?」


俺は二人で使っている部屋を開け、朋の姿を確認するけど見当たらない……。

もしかして…。

俺は急いでお袋が使っていた部屋に向かった。


「朋?!」


部屋を開けると、ボーっとしている朋の姿があった。
朋の手元には、俺の手術費用が入った通帳と、お袋からの手紙…。
そして、健二の病気の症状が書かれた、あのノートがある…。


「…朋」


朋はゆっくりと振り返る。


「…何で言ってくれないの?」

「……」

「…手術費用、足りないんでしょ…?」

「…言っても…どうにもならないだろ…?」

「相談してくれてもいいじゃない!」

「お前に金の事なんか相談したくなかったんだよ!」

「そんなの違うよ!私は何の為に居るの?!」