クローン人間の僕と人間の彼女

功太は俺と朋の手厚い看護のお陰で、みるみる元気になり、朋とも仲良くなったみたいだった。

ー一週間後


「じゃあ、そろそろ帰るわ」

「もう少し居てもいいんだぞ?」

「いや、ババアが心配してるから」

「そっか…」


俺と朋は、玄関迄功太を見送る。
その時、功太が朋を呼んだ。


「朋ちゃん、ちょっと」


朋は功太の方に寄ると、功太は朋の耳元で何か言い、朋は呆然としている。


「何だよ?」

「朋ちゃんにデートのお誘いしたんだよ。嫌みたいだけどな」


朋は微妙な顔をしている。


「じゃあ、又なっ!」

「あぁ。もうバカな事はすんなよ?」

「…分かってるよ!」


功太は元気に帰って行った。


「久し振りに二人だな」

「……」

「…朋?」

「あっ、うん。ご飯にするね」

「…?さっき食べただろ?」

「そうだった…ね」

「功太に何て言われた?」

「…別に大した事じゃないよ」


朋の様子は明らかにおかしい。
けど、俺が何度聞いても朋はごまかしてばかりで、教えてくれなかった。


そして功太も…。


俺に言えない二人の話は何なんだ?