クローン人間の僕と人間の彼女

「…健治?!」


俺は朋の声を無視して、家を飛び出した。


功太だ…


早くやめさせないと…


捕まったら功太は、一生出て来られないかもしれない…。

俺は功太を探す。

すると日が落ちた頃、朋の会社のすぐ近くの公園から、うめき声が聞こえた…。


「功太か?!」


声が聞こえる方に近付くと…。

ボロボロの姿になった、功太が倒れていた…。


「…何やってんだよ…」

「健…治か…?」

「…あぁ」

「…ごめん。金、少し集まってたんだけど…さっきボコボコにやられて…全部取られちまった…」

「…バカ。帰るぞ」

俺は功太に肩を貸し、家迄歩いた。


「ただいま」

「お帰…どうしたの?!」

「コイツも朋が今日言ってた奴の被害者」

「手当しなきゃ…。病院に行った方がいいんじゃない?後、警察も…」

「いいんだ。手当だけで…」


俺は朋をキッと睨んで言った。
朋はこの一瞬で、何があったか分かったみたいだった。


「…じゃあ、布団に寝かせてあげて…。後は私がやるから…」


俺は功太を布団迄連れて行き、寝かせた。

功太はうわごとの様に何度も言った。


「…健治ごめん…」