クローン人間の僕と人間の彼女

「……」


俺と功太の間に、長い沈黙が流れる。


「何で早く言わねぇ?」

「…言っても、心配掛けるだろ?」

「バカ言うなよ!」

「……」

「…俺が何とかしてやる」

「功太っ?!」


功太はそのまま家を飛び出した…。

功太が何をしようとしているのか、俺には想像もつかなかった…。

携帯も…出ない…。

俺はすぐに近藤に電話をし、事情を話した。


「分かった!探してみるよ」

「お願いします」


そして、俺も功太を探しに家を出る。

功太、何処に居るんだ?!


俺は走った。


功太の家も、功太が行きそうな所も、必死になって探し回った。


近藤も、空いた時間に功太を探したけど、功太は見付からなかった…。


嫌な予感がした。


頼むから、変な事はしないでくれよ……。



功太が居なくなって三日経った頃、朋が息を切らせながら帰って来た。


「どうした?」

「今日、会社で聞いたんだけど、最近いきなり殴られてお金を取られる事件が、よくあるみたいで…。怖くなって走って帰ったのっ…」

「どの辺だ?」

「…会社の周辺って…」

「あのバカっ!!」