クローン人間の僕と人間の彼女

同棲初めての夜、朋は二組敷かれた布団を見て、不満そうな顔をする。


「何で二つなの?」

「…狭いと眠れないんだ」

「ふ~ん…」


俺は朋との同棲に一つだけ、自分の中でルールを作った。


それは…


朋との関係に、一線を置く事だ。


後一年半もしない内に、俺が死んでしまったら…。

軽率な行動なんて、出来ない……。

治療は最後まで出来ない可能性の方が、高いんだ。


「いいから寝ようぜ?明日、仕事だろ?」

「うん…。おやすみ」


朋は素っ気なく布団に潜り、眠った。

ごめんな、朋……。


ー翌日


朋が会社に行くと入れ替わりに、功太が来た。


「…で、同棲してんだ?」

「うん」

「じゃあ、病院の治療が終わったら何の問題もねぇな!」


功太は自分の事の様に喜んでくれる。


「治れば…な」

「…治るだろ?」

「……。金が、もたないかもしれねぇ…」

「…金?」


俺は自分の中にある不安を、吐き出さずにはいられなかった…。

功太に金を工面して欲しいとか、そうじゃなくて…。

ただ聞いて欲しかった。


「後二回くらいだ。手術を受けられるのは…」