クローン人間の僕と人間の彼女

「もう承諾は取ってあるの!」


朋の行動力は…相変わらず凄い。
もしかして、その為にわざわざ俺の家の近くの会社を……。

いや、そんなはずは無い。


「どうしたの?」

「いや…。で、いつから住むんだ?」

「今日から」


今日から?!
何でそうなるんだよ、こいつは…。


「今日はダメ!」

「じゃあ、明日?」


上目遣いで甘えて来る朋を、俺は断れる訳がない…。


「分かったよ。家事は当番制だからな?」

「は~いっ!」


そんな訳で、俺は朋と同棲する事になった。


ー翌日


大きな荷物を持った朋が、うちにやって来た。

誰かと一緒に暮らすのは、お袋が死ぬ前以来だ。

一人も気楽で良かったけど…。


「お邪魔しまぁ~す」

「あっ、部屋は好きな部屋を勝手に使って?」

「……健治の部屋は何処?」


朋はキョロキョロと家の中を見回す。


「そこだよ」

「じゃあ、私もここにする」


朋はそう言うと、荷物を持ったまま勝手に俺の部屋に入って行った。

まぁ、いっか……。

どうせ、止めても無駄だろう。

俺は初めての同棲に、不安と喜びを覚えた。