クローン人間の僕と人間の彼女

「……」


朋は今どんな顔をしている?

だから俺は嫌だったんだ…。

こうなる前に終わらせたかったよ…。


「……?!」


その時…


あの刻印の辺りに…


朋の唇の感触を感じた…。


朋は背中を優しく撫でながら言ったんだ。


「…痛かった?」

「…覚えてねぇよ。ガキの頃だったから…」

「…傷もいっぱい…」


そう、泣きながら
朋は言った……。


「私は…何も変わらないよ?クローンとか関係ない。健治が好きなの…」


今迄に無い経験に、俺の身体は小刻みに震える。

背中から抱き着く朋の手を強く握り締めて、声にならない声を必死に振り絞って、俺は言った。


「…これでも…一緒に居てくれるのか…?」

「当たり前でしょ?」


朋はそう言って、俺の手を握り返した。



俺は本当に幸せだと、強く感じていた…。



朋を一生裏切らないと、




心に誓った……。