クローン人間の僕と人間の彼女

「じゃあ、乾杯しようぜっ!」


近藤は嬉しそうに、冷蔵庫からビールを取り出す。


「あっ、俺パス!」


二日酔いの俺は近藤に速攻言った。


「何だよ情けねぇな…。仕方ねぇ、功太、二人で飲もうぜ!」

「…俺も今日は…」

「何だよ、又俺一人かよ~」


近藤はそう言いながら、一人で楽しそうにビールを飲む。

今度はそのまま酔い潰れ、功太は今日は家に帰ると言って、帰って行った。

近藤を起こし、布団迄連れて行くと、俺は自分の部屋に行き布団に潜り込んだ。


「眠れねぇー…」


俺の頭の中で、3つの問題がグルグルと回る…。

時間と…

金と…

朋…


考えても、考えても、どうにもならない…。


俺は財布の中に入れておいた、健二と伊集院の写真を取り出して眺めた。


なぁ、健二…。
闘病中、何を考えていた?

残された時間を、どんな風に思って過ごしていたんだ?


お前は伊集院を置いて逝く事を知った時、どんな気持ちだったんだ?


一回の入院と手術で、100万もの金が消える。


通帳の残高が400万を切っている今、俺は余命迄しか生きられないだろう……。