クローン人間の僕と人間の彼女

近藤が持って来たビールは、とりあえず冷蔵庫の中に入れ、会社創立の話し合いが始まる。

俺は融資に協力して貰った速水達の事を話し、創立メンバーを決める。


「じゃあ、俺達3人と速水達8人でスタートだな」

「11人か…」

「まぁ、軌道に乗ればまだまだ人数は増やせる。会社創立の次は事業拡大だ」


近藤は俺と功太を会社創立に誘った時の様に、目をギラギラさせながら言った。

夢物語だと思っていた会社創立が目前まで来ている…。

近藤が言うと、事業拡大も出来る気がした。


「じゃあ、俺は明日から建築の準備に取り掛かるよ。健治は速水達と連絡を取ってくれ。功太は……とりあえず待機な」

「何だよ、それ…」


落胆する功太を見て、俺と近藤は笑った。


「会社が機能する迄、どれくらいかかる?」

「手続きも色々あるから、半年はかかるな…」

「半年かぁ……」

「どうした?」

「いや、何でもない」


俺の元々の余命迄、後一年半…。
会社が動き出すのが、今から半年後。

もし、途中で金が底をついても、会社創立を見届ける事は出来る…。

朋との事も、このままにしておけば、きっと終わるよ…。



きっと終わる……