クローン人間の僕と人間の彼女

「治療法ですが、森本さんの細胞から骨髄を造ります。骨髄が出来たら、移植するという事で宜しいですか?」

「はい、お願いします…」


俺は皮膚を少し切られ、そのまま入院する事になった。

入院した次の日、病室の窓から朋の姿が見えた。

真っ白のワンピースに白い花束を抱えて歩く朋の姿を見ると、気持ちが穏やかになる。

それから数分後、病室をノックする音が聞こえ、ドアが開くと朋の姿が見え、朋は俺の姿を見付けると、心配そうな顔をして、俺のベッドの横に来た。


「病気…何だったの…?」

「…白血病」

「そっかぁ…。手術するの?」

「一週間後にね」

「……」

「大丈夫だよ!」


朋が余りにも心配そうな顔をするから、俺は笑って言った。


「…私、花瓶買って来るね!」


朋はそう言って無理して作り笑いをすると、病室を出て行った。

一部始終を見ていた、同室の黒岩さんという、おじさんが俺に話し掛けて来た。

言うまでもないが、俺の病室は全員クローンだ。


「可愛い子だね。彼女もクローンかい?」

「いえ、違います…」


黒岩のおじさんは、ビックリした顔をする。