クローン人間の僕と人間の彼女

「健治の都合で終わらせるんだから、わざと嫌われるってのもいいんじゃね?」

「…?」

「自分を汚さないで終わらせれる訳ないだろ?あの子から離れていかせれば、1番あの子を傷付けないで終わらせれるよ…」

「そうだな…」


時間を掛けて、朋に嫌われる…。

それが一番いいのかもしれないな…。

クローンの刻印を見せて、お互い傷付き、傷付け合うのは、あの時だけ…
エリカの時だけで充分だ…。

功太も眠ってしまい、俺は眠れずに夜を明かした。


ー翌日


「森本さん、どうぞ」


俺は二か月振りに病院で検査を受ける。


「お願いします」

「先月はどうしました?」

「ちょっと忙しくて…」


医者は大きく溜息を吐いて言った。


「あのね、森本さん…。一ケ月検査を遅らせると、癌の症状が重くなって、痛い思いもするし、治療費だって上がりますよ?」

「…すみません」

「ちゃんと毎月、検査には来て下さい」

「はい…」

「じゃあ、これを持って順番に検査して貰って」


俺はいつもの様に、次から次へと検査に回る。

検査の結果は…朋が言っていた、

”白血病”

だった…。