クローン人間の僕と人間の彼女

この痣が…
次の癌と関係しているのか…?


「…大丈夫だよ」

「大丈夫じゃない!癌には確実になるんでしょ?だったらそれは…白血病なんじゃないの…?」


白血病?


「でも、俺は朋の傍に居るって決めたんだ…」

「もういいよ!分かったから病院に行って?」

「……」

「信じるからっ。ちゃんと信じるからっ!」


そう言って、朋は泣き崩れてしまった…。


「…ごめん。明日ちゃんと病院に行くから」

「絶対だよ?」

「あぁ。行くよ…」

「行かなかったら、今度こそ許さないからっ!」

「分かったよ…」

「…お見舞い…今度はちゃんと行くから」


俺は思わず、朋を抱き締めてキスをした。

朋は少しビックリしていたけど、抵抗はしない。


その時…。

フラッシュバックの様に浮かんでくる。
あの時のシーンが…。

以前の彼女…。
本気で好きだった、エリカの


”ごめんなさい”


あのシーンが頭の中を過った。

俺は抱き締めた朋の肩に両手を置き、そっと朋を突き放した。


「……?」


不思議そうな顔で朋は俺を見る。

俺は何も言えなかった。