クローン人間の僕と人間の彼女

ー翌日


俺はいつもより重い足取りで、朋の家に向かう…。

足取りが重い理由は二つある。

一つは、功太と朋の間で起こった出来事を知ってしまった事…。

もう一つは…
俺の次の病気の検査が、一週間後に迫っている事だ。

功太の話しを聞いた限りでは、後一週間で前の朋に戻るのは難しいだろう…。


そして俺は、こんな気持ちで、約一ケ月の入院生活を過ごさなければならない。

でも、朋が受けた心の傷に比べれば、こんな事大した事ない…よな。


伊集院家が見えると、朋に対する罪悪感がより一層強くなる…。


ーコンコン


「……」


朋は相変わらずだ。


「朋、入るよ?」


部屋に入ると、いつも通りの冷たい目で、俺を見る朋の姿が見えた。

何から切り出せばいいんだ?

一つ一つ、頭の中を整理して言葉を探す…。


「…聞いたよ、功太から…。ごめんな」

「何が?土地なら、絶対に譲らないから」

「…違うよ」

「何が違うの?」

「今から話す事を、ちゃんと聞いて?」

「……」


俺は大きな溜息を一つ吐くと、ゆっくりと話し始めた。