クローン人間の僕と人間の彼女

俺は家に帰ると、寂しさに襲われた…。

色んな気持ちが、俺を押し潰そうとする。

一体…誰が土地の事を朋に話したんだ?


ーピンポン


「はい」


ドアを開けると、久し振りに見る功太の姿があった。


「久し振りだな!上がれよ」


こんな凹んでいる時に、何故か功太はタイミング良く現れる。


「最近忙しくてよ」

「あっ、近藤さんが寂しがってたぜ?」

「明日にでも電話するわ」


俺と功太は、以前近藤が置いて行ったビールを開け、飲みながら話していた。

功太は、俺一人で静かだった家を明るくする。


「そう言えば、あの土地の話し、上手く行った?」


”もう決まったんだろ?”

くらいの顔をして功太が聞いて来た。


「…いや、このままじゃ、無理だよ」


苦笑いする俺…。


「どういう事だ?」


俺は、退院後からの話を功太に説明した。


「朋に余計な事を言いやがって…。どこの誰だか知らねぇけど、頭にくるよ!」


朋への気持ちを隠す為、俺は”余計な事を言った奴”の事を強調する。


「……」


一緒に怒ってくれるだろうはずの功太が無口になった。


「功太…?」


もしかして…

功太が言ったのか?

そんなはず無いよな…?