クローン人間の僕と人間の彼女

「じゃあ俺、そろそろ帰るわ」


近藤は軽く酔っぱらっている。


「たまには泊っていけば?」


近藤は一晩飲み明かしたいとよく口にするけど、実際に飲み明かした事は無い。


「いいよ。泊まるとそのまま住んでしまいそうだから」

「別にいいよ」


何となく一人になりたくないんだ…。


「俺が飲み明かすのは、嬉しい事があった日って決めてんだよ」

「…会社創立?」

「そっ。美味しい酒が飲めるのを待ってるぜ!じゃあな」


近藤はそう言い残し、帰って行った。

俺も気合を入れてやるか…。



ー翌日

俺は今日も朋の所に通う。


ーコンコン


「朋?俺だよ」

「……」


一週間通っても、朋の反応は相変わらずだ…。


「朋…。ちゃんと会って話したいんだ。入れてよ?」

「嫌っ!」


これじゃあ、いつまで経っても先には進めない…。


「なぁ、何があったんだよ?」

「言いたくない」

「…入るぞ!」

「ダメだよっ!」


俺は思い切りドアを引っ張る。
朋も必死になって、ドアを引っ張ていたけど、ドアは開き、朋は敵わないと思ったんだろう。
慌ててベッドに走り込み、布団に潜った…。