ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜



 えっえっ、ちょっと待って……?

 何言ってるの……?


「からかわないでよ!」

「からかってないけど?」


 ううっ……嘘でしょ?


「莉茉、俺の彼女になれよ」

「っ!!」


 か、か、彼女……!?

 わ、わたしが亜蘭くんの……?


「……っ」

「莉茉?」

「か、考えさせてくださいっ!!」


 わたしはそう叫ぶとたまらずに走り出した。
 わたしは足が遅くて体力もないんだけど、この時は自己ベストを出せたくらいに速かったと思う。

 ただ、家に着いた時は息切れが激しかった。


「はあっ、はぁっ……」


 やばい、尋常じゃなく疲れた……。

 よろけながら何とか自室にたどり着き、その場にへたり込む。
 乱れた息を整えながら、先程の亜蘭くんの言葉を反芻する。


――俺の彼女になれよ。


 さっきの、告白だよね……?

 いやいや待って、あの亜蘭くんだよ!?
 からかってないって言ってたけど、本当のところはどうなの?

 だってわたし、小さい頃に「亜蘭くんのお嫁さんになりたい」って言ったことがある。
 その時亜蘭くんは、「もう少し大人になってからな」って笑って相手にしてくれなかった。

 亜蘭くんにとってわたしは、まだまだ子どもなんだって思った。