莉茉(りま)!莉茉!!」

「うーーん……」

「早く起きなさい!!遅刻するわよ!!」

「ふえっ」


 わたしの朝は慌ただしい。
 お母さんに叩き起こされ、時計を見たらもう起きなければいけない時間だ。

 おかしいな、アラームが鳴ってない。


「うわー!遅刻する〜!!」


 慌てて飛び起き、パジャマを脱ぎ捨てて制服に着替える。
 ドタバタと騒がしいわたしを見て、お母さんは肩をすくめる。


「全くもう、依蓮(えれん)くんはとっくに学校行ったわよ」

「えー?そうなの?」

「生徒会の集まりがあるんだって」

「そっか〜」

「それに比べてあんたってばもう。高校生になったんだからしっかりしなさい」

「ううう……」


 わたしの名前は甘木(あまぎ)莉茉(りま)
 今年から高校一年生。

 朝は苦手、勉強も苦手、運動も苦手。
 この通り、良いとこなしでパッとしない。


「ココちゃーん!おはよう!」
「おはよう、莉茉。今日もギリギリだね」
「何とか間に合ったぁ」


 この子は高校に入ってから仲良くなったココちゃん。
 クールでカッコ良くてすごくしっかりしてる。