コッケコッコー コッケコッコー



「んーもう朝かー」



今日は昔の夢をみた。



これは12年前の話。



私がまだ5歳のとき近所の男の子と公園でよく遊んでいた。



「ねーれいちゃん!みてみて!」



「ななくんなにー」



「きれいなお花見つけたの!れいちゃんにあげるー!」



「わぁかわいいお花!ななくんありがとう!」



「これねききょうって言うんだってー!すきなひとにあげるんだって!だかられいちゃんにあげる!」



「れいもななくんすきー!」



「れいちゃんとぼくはりょうおもいだね」



「りょうおもい?」



「りょうおもいになったらねけっこんするんだよ!」



「けっこん!れいおとなになったらななくんとけっこんする!」



「うん!約束だよ」



2つ年上の男の子ななくん。



ななくんは私が6歳のときに引っ越してしまった。



当時の私はそれが嫌で泣き喚いたんだよね。



そしたらななくんが「大きくなったら必ず迎えに来るよ」
って言ってくれた。



懐かしいな。



あれが私の初恋だった。



私は柳瀬 麗依17歳の高校2年生だ。



彼氏や親友と呼べる存在はいないけどそれなりに友達もいて順風満帆な毎日を送っている。



ななくん元気かなぁ。



夢をみたせいだろうか、久しぶりに会いたくなってきた。



自分の部屋を出てリビングに行くと母と父の写真に向かって挨拶をする。



「2人ともおはよう!行ってきます」



私の両親は3年前に事故にあってこの世から去ってしまった。



14歳中学生だった私は祖母の家に引き取られた。



祖母と祖父は私にとても優しかった。



でももう結構な年でいつまでも私の面倒を見させるわけにもいかないと去年両親と暮らしていたこの家に1人戻ってきたのだ。