身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~

 初めて肌を交わしてから耀はこうして手を繋いだり、身体に触れる事に躊躇がなくなった。

 結乃はあの夜以来毎日耀の寝室のベッドで眠っている。
 身体を求められることもあるし、そうでない日もあるが、気づけば近くに体温を感じている。

 耀と一緒に寝るなんて緊張すると思っていたのに、今では安心して深く眠れている。
 彼に抱き込まれて目覚めると、朝からホッとして穏やかな気持ちになる。

 当然のように握り込まれた手に何とも言えない甘酸っぱさを感じつつ、結乃は歩き出した。

 昼過ぎに園内のレストランで食事をとり、ゆっくりと動物たちを見て回り日が傾いてきた頃帰ることにした。

「耀さん、連れて来てくれてありがとうございました。とっても楽しかったです」

 出口に向かいつつ会話を交わす。

「動物園はいつ以来だったんだ?」

「たぶん小学生3,4年生くらいの時ですかね。両親ときて以来だったと思います。 私ゾウとかキリンみたいな大きい動物が好きで」
 
 両親は柵の前から動かない娘を急かすことなく待っていてくれた。アイスを買ってもらった思い出もある。