身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~

 たしかに細い二本足で灰色の大きな身体を支えじっとしていて殆ど動かない。それならば動くところが見たいとずっと柵にはりついていたのだ。

 ハシビロコウは足元の池に視線を移すように顔を少しだけ動かしたが、その後また一切動かなくなった。

「ふふ、なんか、耀さんに似てるかも」

 口をついて出た感想が隣に聞こえたらしい。耀は、目の前の動かない鳥を見てからムッと眉を顰めた。

「俺は、あんなに動かない上に愛想が無いか?」

「えーと、いえいえ、違います。目とかかっこいいじゃないですか」

 しまったと慌てつつ結乃は笑ってごまかす。

「俺には睨みつけているようにしか見えないが」

「そんなことないですよ。目力は強いですけど綺麗だし。それに全体的に落ち着いているところは耀さんと一緒です」

(一見睨んでいるような目もよく見ると優しく見えるし、全体的にかわいいと思うなんて、さすがに言えないよね)

「それなら結乃にも似てるな」

 納得いかない顔をしていた耀が何かに気付いたように結乃を見る。

「ここ、君にそっくりだ」

 言いながら結乃の後頭部の髪の毛を撫でる。

「ん?」