「巧巳君、今日はあんな態度でしたけど、本当は優しい人なんです。嵯峨家で一緒に暮らしていた時から両親を亡くした私をずっと気にかけてくれて……」
結乃はひとり離れで生活していたし、巧巳が大学に行くまでの1年弱の期間だったので一緒に暮らしたという表現があっているかは微妙ではあるが、巧巳が優しい事実は変わらない。
「きっと私のこと手のかかる妹みたいに思ってくれてるのかもしれません」
「妹、ね」
結乃に視線をよこし短く言葉を落とした耀はキッチンには向かわずこちらに近づいてきた。
「耀さん、さっき巧巳君に言ったことは本心ですから。今更ですけど私、納得して結婚してますし、形だけの結婚でもこんなに良くしてもらって感謝してるんです」
「でも、君は困ったことがあったら従兄に頼るのか?」
硬い声がどんどん間合いを詰め、彼の胸に自分の肩が当たるか当たらないかの距離で止まる。
(ち、ちょっと、近い……)
急に今日転んだ時に彼に抱きしめられた時のことがフラッシュバックし、心拍数が上がってしまう。
それでも結乃はつとめて明るい声を出す。
「えっと、今の所そんな心配は無いと思います。あ、でも困っていると言えば」
結乃はひとり離れで生活していたし、巧巳が大学に行くまでの1年弱の期間だったので一緒に暮らしたという表現があっているかは微妙ではあるが、巧巳が優しい事実は変わらない。
「きっと私のこと手のかかる妹みたいに思ってくれてるのかもしれません」
「妹、ね」
結乃に視線をよこし短く言葉を落とした耀はキッチンには向かわずこちらに近づいてきた。
「耀さん、さっき巧巳君に言ったことは本心ですから。今更ですけど私、納得して結婚してますし、形だけの結婚でもこんなに良くしてもらって感謝してるんです」
「でも、君は困ったことがあったら従兄に頼るのか?」
硬い声がどんどん間合いを詰め、彼の胸に自分の肩が当たるか当たらないかの距離で止まる。
(ち、ちょっと、近い……)
急に今日転んだ時に彼に抱きしめられた時のことがフラッシュバックし、心拍数が上がってしまう。
それでも結乃はつとめて明るい声を出す。
「えっと、今の所そんな心配は無いと思います。あ、でも困っていると言えば」



