「巧巳君、それは」
結乃が静止しようとするが、巧巳は構わず続ける。
「惹かれあったなんて、あなたに結乃ちゃんの何がわかる。彼女はこれまで苦労して、辛い思いをしてきているんだ、戯れに利用するのはやめていただけないでしょうか」
巧巳の言葉に耀の眉が一瞬上がった。
「辛い思い? では、今まであなたは彼女のその辛さを解消する努力をしたのか?」
「っ、それは……」
耀の言葉に巧巳はグッと押し黙る。
「これは家同士が望んだ結婚だ。将来の嵯峨家の当主たるあなたにそんなことを言われるとは心外だ」
耀の声は凍り付くように冷たい。これ以上ない険悪な雰囲気に結乃は焦る。
(宇賀地家と嵯峨家の関係を悪くしたら困るのは巧巳君なのに)
「あの、巧巳君、心配してくれてありがとう。でも私は納得して宇賀地さんと結婚しているし、大切にしてもらってるの。だから大丈夫」
偽りの無い今の正直な思いを伝えると、巧巳は結乃をしばらく見つめてから諦めたように声を落とす。
「……今日の所はわかった。でも、結乃ちゃん。困ったことがあったら僕に頼って欲しい」
巧巳は耀に会釈してその場を立ち去った。
結乃が静止しようとするが、巧巳は構わず続ける。
「惹かれあったなんて、あなたに結乃ちゃんの何がわかる。彼女はこれまで苦労して、辛い思いをしてきているんだ、戯れに利用するのはやめていただけないでしょうか」
巧巳の言葉に耀の眉が一瞬上がった。
「辛い思い? では、今まであなたは彼女のその辛さを解消する努力をしたのか?」
「っ、それは……」
耀の言葉に巧巳はグッと押し黙る。
「これは家同士が望んだ結婚だ。将来の嵯峨家の当主たるあなたにそんなことを言われるとは心外だ」
耀の声は凍り付くように冷たい。これ以上ない険悪な雰囲気に結乃は焦る。
(宇賀地家と嵯峨家の関係を悪くしたら困るのは巧巳君なのに)
「あの、巧巳君、心配してくれてありがとう。でも私は納得して宇賀地さんと結婚しているし、大切にしてもらってるの。だから大丈夫」
偽りの無い今の正直な思いを伝えると、巧巳は結乃をしばらく見つめてから諦めたように声を落とす。
「……今日の所はわかった。でも、結乃ちゃん。困ったことがあったら僕に頼って欲しい」
巧巳は耀に会釈してその場を立ち去った。



