結乃が紹介し終わる前に耀は自ら名乗った。
「あなたは、嵯峨巧巳さんですか? たしか結乃の従兄で嵯峨家の跡取りの」
巧巳は「ええ、そうです」と答え、耀を見据える。
「宇賀地さん、失礼ですが教えてください。なぜこんな急に結乃ちゃんと結婚したんですか」
巧巳の目には明らかに敵意のようなものが込められている。
(そうか、元々巧巳君は私が亜希奈ちゃんの身代わりになること自体、よく思っていなかった)
まして以前彼に会った時、お見合いは失敗したという話をしていたのに、いきなり結婚したことが不自然だと疑っているのだ。
「見合いをしてお互いが惹かれあったからですよ。これ以上ない、円満な結婚だと思いますが?」
耀はそう言うと、結乃の肩に手を回し抱き寄せる。
(そ、そう思ってもらったほうがいいってことだよね……)
結乃の頬が熱くなるのとは対照的に、耀の声は冷たく低くなり、静かな威圧感が滲む。
しかし、巧巳も肝が据わっているのか怯まない。
「見合いは上手くいかなかったと彼女は言っていた。それなのにこんな短期間で結婚するなんておかしいでしょう――金ですか? 彼女を買ったんですか?」
「あなたは、嵯峨巧巳さんですか? たしか結乃の従兄で嵯峨家の跡取りの」
巧巳は「ええ、そうです」と答え、耀を見据える。
「宇賀地さん、失礼ですが教えてください。なぜこんな急に結乃ちゃんと結婚したんですか」
巧巳の目には明らかに敵意のようなものが込められている。
(そうか、元々巧巳君は私が亜希奈ちゃんの身代わりになること自体、よく思っていなかった)
まして以前彼に会った時、お見合いは失敗したという話をしていたのに、いきなり結婚したことが不自然だと疑っているのだ。
「見合いをしてお互いが惹かれあったからですよ。これ以上ない、円満な結婚だと思いますが?」
耀はそう言うと、結乃の肩に手を回し抱き寄せる。
(そ、そう思ってもらったほうがいいってことだよね……)
結乃の頬が熱くなるのとは対照的に、耀の声は冷たく低くなり、静かな威圧感が滲む。
しかし、巧巳も肝が据わっているのか怯まない。
「見合いは上手くいかなかったと彼女は言っていた。それなのにこんな短期間で結婚するなんておかしいでしょう――金ですか? 彼女を買ったんですか?」



