「それが最近少し緩んでいるのは、結乃さんのマイナスイオンパワーのお陰ですよ。もう少し出力を上げて頂ければ癒されまくった専務がバグって僕にまとまった休みをくれるかもしれない」
冗談めかした言い方に今度は結乃が噴き出す番だった。
「私にはそんな素敵な機能搭載されていませんよ、それにバグっちゃだめですから」
(……湊さんはどこまで知ってるんだろう。耀さんに一番近いところにいる秘書さんだもの。私たちがお見合い結婚と見せかけた契約結婚をしたのを知らない訳がない気がするんだけどな)
湊の口調からはそれを感じないが、結乃は少しだけ本音を漏らす。
「でもやっぱり、甘えるんじゃなくて、少しでも耀さんの為にならないといけないと思っています。それが妻の私の役目ですから。なんだか焦ってしまって」
彼が社長になるまで妻を務めるのがお金をもらう対価なのだから、やはりこのままではいけないと思う。
「うーん、専務の為ならむしろ、甘えた方が喜ぶと思うんだけどなぁ」
ゆったりとハンドルを切りながら湊はポツリと零した。
冗談めかした言い方に今度は結乃が噴き出す番だった。
「私にはそんな素敵な機能搭載されていませんよ、それにバグっちゃだめですから」
(……湊さんはどこまで知ってるんだろう。耀さんに一番近いところにいる秘書さんだもの。私たちがお見合い結婚と見せかけた契約結婚をしたのを知らない訳がない気がするんだけどな)
湊の口調からはそれを感じないが、結乃は少しだけ本音を漏らす。
「でもやっぱり、甘えるんじゃなくて、少しでも耀さんの為にならないといけないと思っています。それが妻の私の役目ですから。なんだか焦ってしまって」
彼が社長になるまで妻を務めるのがお金をもらう対価なのだから、やはりこのままではいけないと思う。
「うーん、専務の為ならむしろ、甘えた方が喜ぶと思うんだけどなぁ」
ゆったりとハンドルを切りながら湊はポツリと零した。



