「ああ、気を付けて。そうだ結乃。今日は早く上がれそうだから会社まで迎えに行く。気になるイタリアンがあるから、お祖母さんのお見舞いに行った後つきあってくれ」
「はいわかりました! 楽しみです」
「湊、安全運転で」
「承知しました」
お任せ下さいと湊は結乃をマンションの駐車場へと連れ出した。
耀は今日午前中にアメリカとのテレビ会議あるらしく、家で参加した後会社に向かうという。
それなら自分はひとりで電車で行くと言ったのだが「俺の妻を」以下同文で却下された。
「湊さん、ほんとすみません」
後部座席に乗り込み改めて詫びると湊はニッコリと笑う。
「いいですって、僕だって愛想の無い専務の送迎より、かわいい女性の方が楽しいですよ」
湊は耀と同じ年の三十二歳。同期として配属された職場で知り合い、三年前耀が食品事業部の担当専務になった時、耀に抜擢され秘書になったらしい。
湊が『御曹司だからって気を遣わないで同期として接したのがポイント高かったかな』と笑うが、彼の柔和な雰囲気は口数が少なく冷たく見えることもある耀のフォロー役としてはうってつけなのかもしれない。
「はいわかりました! 楽しみです」
「湊、安全運転で」
「承知しました」
お任せ下さいと湊は結乃をマンションの駐車場へと連れ出した。
耀は今日午前中にアメリカとのテレビ会議あるらしく、家で参加した後会社に向かうという。
それなら自分はひとりで電車で行くと言ったのだが「俺の妻を」以下同文で却下された。
「湊さん、ほんとすみません」
後部座席に乗り込み改めて詫びると湊はニッコリと笑う。
「いいですって、僕だって愛想の無い専務の送迎より、かわいい女性の方が楽しいですよ」
湊は耀と同じ年の三十二歳。同期として配属された職場で知り合い、三年前耀が食品事業部の担当専務になった時、耀に抜擢され秘書になったらしい。
湊が『御曹司だからって気を遣わないで同期として接したのがポイント高かったかな』と笑うが、彼の柔和な雰囲気は口数が少なく冷たく見えることもある耀のフォロー役としてはうってつけなのかもしれない。