耀の祖父が不機嫌そうにこちらを見ている。
御年八十歳。足腰はかなり弱った様子だが妙に威圧感のある人だ。
どうやら源三はお見合い相手が長女の亜希奈から従姉妹の結乃に変わった事が気に入らないらしい。
「それでもいいから会えと言ったのは会長じゃないですか」
「やっとお前が会う気になっていたから、仕方なくだ」
嵯峨家より立派な邸宅。高い天井、重厚な調度品が醸し出す部屋の雰囲気と、源三の厳しい眼差し。
ガチガチに緊張している結乃の横で耀は祖父に言葉を返す。
「彼女が嵯峨家の血筋であることは間違いないんですから構わないでしょう」
「良家の子女としてそれ相応の教養を身に着けているのなら認めてもいい。なんせ、息子の嫁は生まれが悪いからな」
源三の息子、耀の父にあたる現宇賀地グループの社長はどちらかというと優し気な顔つきの落ち着いた男性だ。
耀に聞くところによると、会長である父の後を継いで盤石に事業を発展させている。
その妻である耀の母もお見合いでの印象のまま物腰の柔らかい女性だ。
(耀さんのやけに迫力のある感じは……間違いなく隔世遺伝)
御年八十歳。足腰はかなり弱った様子だが妙に威圧感のある人だ。
どうやら源三はお見合い相手が長女の亜希奈から従姉妹の結乃に変わった事が気に入らないらしい。
「それでもいいから会えと言ったのは会長じゃないですか」
「やっとお前が会う気になっていたから、仕方なくだ」
嵯峨家より立派な邸宅。高い天井、重厚な調度品が醸し出す部屋の雰囲気と、源三の厳しい眼差し。
ガチガチに緊張している結乃の横で耀は祖父に言葉を返す。
「彼女が嵯峨家の血筋であることは間違いないんですから構わないでしょう」
「良家の子女としてそれ相応の教養を身に着けているのなら認めてもいい。なんせ、息子の嫁は生まれが悪いからな」
源三の息子、耀の父にあたる現宇賀地グループの社長はどちらかというと優し気な顔つきの落ち着いた男性だ。
耀に聞くところによると、会長である父の後を継いで盤石に事業を発展させている。
その妻である耀の母もお見合いでの印象のまま物腰の柔らかい女性だ。
(耀さんのやけに迫力のある感じは……間違いなく隔世遺伝)



