身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました～虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで～

（もし宇賀地さんと同じ部屋を使うようにいわれたらどうしようとか、一瞬でも考えた自分が恥ずかしい……）

　身支度を終えダイニングに向かう。キッチンは広く、料理番組に出てくるような広くてオシャレなオープンタイプだ。

　そこには白いシャツに黒いスラックス、ギャルソンエプロンを付けた耀が立っている。

　そういえば彼は昨日料理をすると言っていた。その時妄想したそのもののシチュエーションだが、現実はそれ以上にキラキラして見える。

（なんだか色々眩しい……）

「お、おはようございます」

「おはよう。食べようか」

　キッチン同様、独り暮らしには大きすぎるダイニングテーブルの上に朝食が並べられる。

　マフィンの上にベーコンとポーチドエッグがのり、付け合わせにグリーンサラダが添えられている。色合いも美しい。

「もしかしてこれはエッグベネディクト……宇賀地さんが作ったんですか？」

　食べたことはないが、おしゃれな朝食として有名なので結乃も知っていた。
　初めて実物を目の前にして思わず感嘆の声が出る。

「作るのは難しくない。このオランデーズソースも卵黄とレモン汁とバターしか使っていないし材料もどこにでもあるものだ」