身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~

『――それに、離婚する時には充分な慰謝料を払う。金には困らないはずだ』

(ああ、そうか。私、宇賀地さんに何でもお金を基準に判断する人間だって思われているんだ)
 
 心の中で切ない気持ちが沸き起こる。
 でも彼がそう思うのも当然だ。
 今結乃はイエスの回答をしようとしているのだから。

『はい……そういうことなら。この話お受けします』

 そうして、結乃は耀との結婚を受け入れることにしたのだった。


(それにしても即日同居って……)

 広すぎて落ち着かない部屋で、もそもそと着替えながら思う。

 結婚を承諾したその場で耀に『家に連れて行く』と言われ、またもや結乃は混乱した。

 彼曰く部屋は余っているし、これからのことを話し合うのも一緒の家にいた方が効率がいいらしい。

「時間の無駄は省きたい」と押し切られる形で、結乃は当座の荷物を纏め、このマンションまで連れて来られたのだ。

 耀が暮らすのは代官山にある低層高級物件の最上階にあたる三階だ。
 一部屋が広く、余裕がある。その中のゲストルームを結乃は使わせてもらうことになった。