身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~

『正直俺は気が進まなかった。家柄なんて興味はないし、どうせ結婚するなら会社としてメリットのある相手と結婚した方がいいだろう? 嵯峨家と縁を持ってもうちには益がない』

 耀は言いきったがその通りだ。

 嵯峨家は宇賀地グループと縁続きになることにより強大な資本の庇護下に置かれることと、さらなる建設工事受注を見込んでいる。一方宇賀地側には金銭面でのメリットは考えられない。

『だから忙しさを理由に君の従姉と正式に会うのを避けていた』

『だったら――』

『でも最近事情が変わった』

 一向に話を進めようとしない孫にしびれを切らした祖父は、結婚しないなら次期社長に指名しないと言い出した。

『俺は実力で社長になるつもりだから別によかった。根回しは必要だが会長の影響力はもう昔ほどではない。だったら義理を果たすために一度顔合わせの体裁だけは取って終わりにしようと思った。もちろん断るつもりでね。そうしたら相手は逃げ、あろうことか代役が出てきた』

『それは、本当にすみませんでした……』

 何とも身の置き所がなくなり結乃は小さくなる。