身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~

 お見合いが失敗に終わったのは当然だとしても、自分のせいで嵯峨家が宇賀地グループから見限られたりしたら寝覚めが悪い。

 すると前を向いていた耀がこちらに視線をよこしてはっきりと言った。

「いや、あの時は俺も言い方が悪かった」

(……え? 空耳じゃないよね)
 あっさり耀が謝罪のようなことを口にしたので結乃は驚く。

「じゃあ……」

「これからも嵯峨家とは今まで通りの付き合いをさせてもらうし、君が気に病むことはない」

「あ、ありがとうございます!」

(宇賀地さん、冷たく見えるけど結構いい人かもしれない!)

 現金な結乃はここ数日気に病んでいたことからの解放に心から安堵して体の力を抜き、やっと高級な革張りのシートに後頭部を預けることができた。

 しかしホッとすると急に迷惑をかけっぱなしでいいのかという気持ちが湧き起こってくる。

「今日もご迷惑をおかけしてしまいましたし、お詫びが出来ればいいのですが」

 天下の宇賀地グループの御曹司に出来る事はなさそうだし、向こうにしても断った縁談相手とこれ以上関わり合いにはなりたくないのかもしれない。