途端に鼓動が高鳴り始める。
そういえば、前にもこんな風に届かなくて手伝ってもらったこと、あったよね。
ふと思い出して、懐かしくなって胸の奥がしめつけられた。
そう、あの時からきっと私は日生くんのこ
と……。
「咲姫、そっち終わった?」
不意に流風ちゃんが教室のドアから顔を覗かせて言った。
「うん」
いけない。私、何考えてたんだろう。
この気持ちはなかったことにしなきゃダメな
のに。
「教室の方手伝ってくるね」
私は日生くんから視線をそらして、慌てて教室の中に入った。
2学期に入ってから、私は日生くんとほとんど話さなくなった。
爽くんに告白されて戸惑ってるのもあるし、伊吹ちゃんの気持ちを知ってしまったから。
伊吹ちゃんは私よりずっと前から日生くんのことを想ってるし、キレイで頭もよくて、人気者の日生くんには、伊吹ちゃんみたいな子の方が合うと思うし。
何より伊吹ちゃんは私の友達だから。
やっぱり私はこの気持ちをあきらめた方がいいんだ。
今なら、きっと今ならまだあきらめられると思うから……。
