2学期に入ると、学校の雰囲気は10月の初めに行われる文化祭一色に染まって、放課後は毎日準備に追われていた。
私達のクラスは『アリスカフェ』をやることになっている。
ウェイターとウェイトレスはアリスのキャラクターに扮して、内装もアリスの世界をイメージした喫茶店にして紅茶とクッキーを出すという内容。
「看板こんな感じでどう?」
「テーブルクロスこれでいい?」
9月も終わりにさしかかったある日の放課後。
文化祭まであと1週間になって、みんな急ピッチで準備を進めていた。
私は、廊下でクラス掲示板の装飾を手伝って
いるんだけど。
「届かない~」
チビな私は、みんなが届くような位置でも手が届かない。
頑張って背伸びしていたら、
「貸して」
頭上から声が聞こえたと同時に後ろから手が伸びてきて、私が持っていた飾りをつけてくれた。
「……ありがと」
振り返ってお礼を言うと、そこにいたのは日生くんだった。
