初めて好きな人が出来たのに、よりにもよって友達と同じ人を好きになるなんて。
「……ついてないなぁ」
思わずそう呟いて自嘲気味に笑う。
「……咲姫?」
突然名前を呼ばれて顔を上げると、目の前に爽くんがいた。
「……爽くん!?」
今のひとりごと、聞かれてなかったよね!?
「何してんだよ」
爽くんが怪訝そうな表情で尋ねた。
友達と好きな人が仲良くしてるところを見るのが辛くてひとりになりたかったなんて、とてもじゃないけど言えない。
「……別に。爽くんこそどうしたの?」
曖昧に答えて逆に訊き返すと、
「俺のファンだっていう他のクラスの女子がうるさくってさ。ちょっと逃げてきた」
モテ男子ぶりをアピールするような答えが返ってきた。
「……あっそ」
イケメンモテ男子は大変なのね。
私にはどこがいいかわかんないけど。
「……咲姫ってさ、男子と話すの苦手なんだってな」
心の中で悪態ついてたら、突然爽くんが言った。
「え?」
事実だけど、なんで爽くんがそんなこと言いだすの…?
「結構ウワサになってんだよ。入学以来、ほとんど男子と話さないって」
そんなことウワサになってるなんてやだなぁ……。
