天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


「中学の時、林間学校で飯盒炊飯(はんごうすいはん)したとき火起こすの上手かったから」

「そうなんだ」

流風ちゃんも伊吹ちゃんも、私の知らない中学時代の日生くんを知ってるんだ…。

そう思うと、なんだか少し寂しくなる。

そう言った流風ちゃんの笑顔は、悪戯を思いついた小さい子みたいだった。

流風ちゃんとふたりで河原に戻ると、伊吹ちゃんは日生くんとふたりで楽しそうに話していた。

伊吹ちゃんと日生くん…並んでると美男美女で絵になるなぁ…。

中学時代からの知り合いだから、気心知れた感じだし。

「……ちょっと調理場の方に行って来るね」

私は流風ちゃんにそう言って、河原から少し離れた調理場の方へ向った。

少し歩いて、人気のない木陰で足を止めて、ため息をつく。

私、何してるんだろう……。

日生くんのこと、これ以上好きになっちゃダメなのに。

これ以上好きになったら諦めるのが辛くなるだけなのに。

そうわかってるのに、日生くんと伊吹ちゃんが仲良くしてるところ見てるのが辛い。