その姿が、やっぱり威嚇してる仔猫みたいに見えて思わず笑ってしまう。
ふたりきりの時間を過ごせたことを嬉しく思いながら、ボールを片付けるために体育倉庫へ向かった。
俺たちの様子を誰かが見ていたことなんて全く気づかずに……。
* * *
翌朝、眠気と闘いながら教室に向う途中、周りにいる人達から強い視線を感じた。
いつもの女子からの視線とはちょっと違う、何かを窺うような視線。
なんなんだよ。
「よぅ日生! おまえ、篠宮に手出したのか?」
「はっ!?」
突然、廊下で同じクラスの松村に声をかけられた。
しかも、意味不明な一言まで言われた。
なんで篠宮が出てくんだよ?
「今朝から噂になってんだよ。昨日の放課後、おまえが篠宮とふたりきりで体育館にいたって」
「……あ~……」
そのことか。
でも、なんで噂になってるんだ?
気づかなかったけど、誰かに見られてたってことか。
