だから少しだけ、俺は他の男子と違って特別だって思わせたいんだ。
篠宮自身にも、そして他の人たちにも。
「ってことで、呼んでみようか」
「い、今?」
「うん。今」
俺が頷くと、
「……れ…お……」
少しの沈黙の後、かなり恥ずかしそうにかすかな声でそう聞こえた。
「聞こえない」
わざとそう言って顔を覗き込むと、
「……玲央!」
ちょっとやけになったように、大きな声で言った。
「よくできました」
そう言いながら咲姫の頭を撫でる。
「……なんか咲姫って猫みたいだな」
なんとなく前から思ってたことを呟いたら、
「……猫!?」
咲姫は心底驚いたような声を出した。
「ちっこくてふわふわしてて、見てると触りたくなる。仔猫ちゃんって感じ」
よく話すようになって思ってたことだけど、見た目も仕草も性格も、猫っぽい。
「……へっ!?」
でも、咲姫はかなり戸惑った表情を浮かべた。

