相変わらず触り心地が良いふわふわの髪。
でも、篠宮はこの天パーが嫌なんだよな。
外から気持ちの良い風が吹いて来て、篠宮の髪が揺れる。
無言のまま、篠宮がちょっと恥ずかしそうな表情で俺の方を見てる。
だから、そんな表情で見られたらやばいんだって。
当の本人は自覚ないんだろうけど。
突然、下校時刻の放送が流れてきた。
「鍵、閉めるんだろ?」
「あ、うん」
俺の言葉に、篠宮がハッとしたように頷いた。
「ボール片付けてくるから、鍵よろしく」
ボールを持って、そのまま体育館を出る。
「日生くん、こんな時間まで色々ありがとね」
鍵を閉めて、篠宮が言った。
ホント、素直なんだな。
そんな風に言われると、教えた甲斐があるし、単純に嬉しい。
「どういたしまして」
「じゃあ、また明日」
そう言って篠宮が歩き始めた時、
「篠宮!」
呼びとめると、篠宮が振り返った。
「また時間あったら教えるよ」
苦手だからって一生懸命練習しようとする姿見てたら、ほっとけない。
それに、もっと篠宮と一緒にいられる時間が欲しいから。
