「で、今みたいに、両手外側に開く感じ。わかった?」
篠宮の方に顔を向けると、
「へっ!?」
篠宮は気の抜けたような声を出した。
「こら、ちゃんと見てなかっただろ?」
言いながら、手で軽く篠宮のおでこを小突く。
篠宮って、小さいからか、ついこうやって構いたくなる。
「人の見るより一緒にやった方が早いか」
苦手だって言うなら、やっぱり見てるだけじゃ感覚はつかめないかもしれない。
俺は、篠宮のすぐ後ろに立って、篠宮の手を軽く掴んだ。
実際一緒に動かして教えた方が、感覚がつかめると思ったから。
なんて、それはただの口実で。
ホントは、篠宮にもっと近づきたくて。
「ボールを離す時にこういう感じで手を離して」
篠宮の手を動かしながら、説明する。
でも、篠宮がなんとなくぎこちない。
手、かすかに震えてるし。
やっぱり緊張してるのか。
そりゃあ、男子と関わるの苦手だって言ってるのに、こんな至近距離じゃ緊張するよな。
でも、そんなところもなんか可愛いって思うなんて、相当ハマってきてるな、俺。
