【Side 玲央】
「俺と甘い時間過ごそうか?」
その言葉に、顔を真っ赤にして固まってしまった咲姫を見て、
「冗談だよ」
なんて笑いながら言ったものの。
人生何が起こるかわからない。
まさか咲姫が夏休み以来もう一度自分の家に来ることになるなんて―
家に着くと、とりあえず雨に濡れていたからシャワーを貸した。
服は俺のじゃどう考えてもサイズが合わないだろうから、母親の服を用意した。
それでも小柄な咲姫には大きいだろうけど。
俺もシャワーを浴びてリビングに戻ると、咲姫は落ち着かない様子でソファの端にちょこんと座っていた。
「………」
「………」
何とも言えない気まずい沈黙が流れる。
「そんな警戒するなよ。もう咲姫が嫌がることはしないから」
「…う、うん…」
俺の言葉に、咲姫が遠慮がちに頷いた。
明らかに緊張してるのが伝わってくる。
「咲姫に渡したいものがあるんだ」
緊張感に包まれた空気を変えようと、俺はあるものが入っている袋を鞄から出した。
