天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


「あ、あれ可愛い~」

なんてはしゃいでいたら、

「咲姫」

突然玲央に名前を呼ばれて、振り向いた瞬間、唇を塞がれた。

「…ちょっと…っ」

慌てて離れようとしたけど、

「暗くて見えないから大丈夫」

「もう! 何考えてんの?」

暗闇だったとは言え、前後に乗ってた人達はきっと気づいてる。

出口に向かいながら、自分でも真っ赤になってるのがわかるくらい熱くなっている頬を手で押さえる。

「ごめん。咲姫が可愛かったから、つい」

そう言いながら、玲央が私の頭を優しくポンポンと叩いた。

ずるい。そんな優しい笑顔でそんなこと言われたら、それ以上何も言えないじゃない。

「疲れた~けど楽しかった」

園内がかなり混雑していて、並ぶ時間が多かったこともあって、結局私達は閉園時間まで園内にいた。

名残惜しい気持ちで園内を出ると、まるで魔法が解けたみたいに日常の景色が目の前に広がる。

帰りの電車はクリスマス・イブだけあってものすごく混んでいた。