天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


「篠宮さん、まだ残ってく?」

「あ、うん……ちょっとだけ」

「じゃあ、鍵頼んでいい? うちらも部活の練習あるから」

「うん、いいよ」

「ありがと。よろしくね」

井上さんは私に鍵を渡すと、鈴木さんと一緒に体育館を出て行った。

なんだ、結局自由練習なんてみんなやらないんだ。

私もちょっと練習してすぐ帰ろう。

とりあえず、近くにあったボールを手に取って、ゴールにシュートしてみる。

でも、全然入らない。

何回かやってみたけど、ボールはゴールに入るどころか、リングの位置にも届かない。

「やっぱダメだぁ……」

独りごとを呟いたその時。

「ボール投げる時の位置変えてみな」

突然、すぐ後ろから声が聞こえた。

振り返ってみると、そこにいたのは……

「日生くん!?」

いつからここにいたの?

「ちょっと前からいたんだけど、全然気づいてなかっただろ」

私の思ったことを見透かしたかのように、日生くんが笑いながら言った。