天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


「うん。キレイだよな…」

夏川くんもそうつぶやいてツリーを見ている。

だけど、その瞳はどこか遠くを見ているようで、切なそうだった。

夏川くんは……今、誰を想っているんだろう……?

そう考えたら、胸の奥が苦しくなって、泣きたくなった。

「……今日はつきあってくれてありがとな」

少しの沈黙のあと、夏川くんがぽつりとつぶやくように言った。

「え?」

驚いて顔を上げると、夏川くんは珍しく真剣な表情をしていた。

……どうしたんだろう?

「……美原ってさ、今、好きな人いる?」

「えっ!?」

突然思いがけない質問をされて、ビックリした。

「なんでそんなこと訊くの?」

思い切り動揺しながらも必死に平静を装って言うと、

「俺が美原のこと好きだから」

信じられない言葉が返って来た。

「……うそ……」

思わずそうつぶやくと、

「うそじゃない」

夏川くんがはっきりとそう言った。

うそじゃない……?

ホントに?

今の、私の聞き間違いじゃないよね?