天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


やっぱり、そんなわけないよね。

これはあくまでも“勉強会のお礼”で、特別な意味があるわけじゃないんだ。

ホームで電車を待ちながら、ひとりで落ち込んでいたら、

「ちょっと行きたい場所あるんだけど、美原、まだ時間平気?」

突然夏川くんが言った。

「……あ、うん。平気だよ」

てっきりこのまま帰るものだと思っていた私は、驚いたけど嬉しかった。

そして着いたのは、咲姫の地元の最寄り駅近くにあるショッピング街だった。

薄暗くなった街で、イルミネーションがキレイに輝いている。

ここ…去年のクリスマス・イブに日生くんと来た場所だ。

ふとそんなことを思い出して、少しだけ胸が痛む。

夏川くんはショッピング街のお店に立ち寄ることもせず、そのまま歩き続けている。

しばらく歩くと、大きなクリスマスツリーが飾られている公園に出た。

「うわぁ、キレイだね」

思わず声をあげてしまうほど、クリスマスツリーはキレイなイルミネーションで彩られていた。