「ごめんね。ありがと」
夏川くんに抱きしめられてる体勢になってることに気づいて、ドキンと心臓が高鳴った。
「よし。じゃあ、俺が支えてるから、あっちまで滑ってみよう」
そう言って、夏川くんが私の手をつないで支えながら滑ってくれた。
そうやって支えてもらいながら滑るうちにだんだん勘がつかめてきて、初めて1時間経った頃には私もどんどん滑れるようになった。
「やっぱ美原も上手いじゃん」
「うん。慣れたら楽しいね」
ふたりで横に並んで話しながらリンクを周る。
童心にかえってスケート夢中になっているうちに、いつの間にか日が傾き始めていた。
「あ~楽しかったな。そろそろ出ようか」
「うん、そうだね」
スケート靴を返して、駅に向かう。
今日はもうこのまま帰るのかな。
不意に、名残惜しい気持ちになる。
夏川くんが誘ってくれたのは何か話があるからかな、なんてちょっと期待してたけど。
